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「部分一致」が「インテントマッチ」へ変更
リスティング広告を出稿する際、キーワードのマッチタイプを指定することができます。マッチタイプの1つである「部分一致」は、Google広告では2024年7月に、Yahoo!広告では2024年8月に、「インテントマッチ」という名称に変更されました。
「インテント」とは
「インテント」とは「意図」のことです。ユーザーの検索した意図を汲み、ニーズに応じた広告を表示させることを分かりやすく表現するために、「インテント」という言葉を用いています。
なぜ変更されたのか
検索者がある語句で検索した際、それに関連する広告を出稿するというのは部分一致と同じです。しかし何をもって「関連する」と判断するのでしょうか。
例えば「SEM」という語句が検索される場合、リスティング広告やSEOなどの「Search Engine Marketing(検索エンジンマーケティング )」を指す場合と、「走査型電子顕微鏡」を指す場合の2パターンが考えられます。字面のみで関連するかどうかを判断する場合、「Search Engine Marketing」と「走査型電子顕微鏡」のどちらも関連すると判断される可能性があります。しかし検索意図にフォーカスすると、それぞれまったく別のものを指すため関連性は低いと判断されるでしょう。
リスティング広告では、
- ユーザーの最近の検索アクティビティ
- ランディングページのコンテンツ
- 広告グループ内の他のキーワード
を考慮して広告を表示するかどうかを判断しています。「SEM」と検索する前に「ウェブ広告」や「マーケティング」などを検索していれば「Search Engine Marketing」について検索していると判断され、「顕微鏡」や「元素分析」などを検索していれば「走査型電子顕微鏡」について検索していると判断される可能性が高いと考えられます。文字列は同一でも、その検索を行う意図が異なる場合があるのです。
逆に、字面は異なっても検索意図は同じであると判断される場合があります。例えば、「札幌 旅行」と検索している場合、札幌旅行を計画していて観光スポットを調べたり飛行機のチケットを予約したりすることが考えらえるため、「二条市場 海鮮丼」「羽田 新千歳 飛行機」なども検索意図が同一であると判断されることがあります。
現在はAIの活用により、検索意図による関連性判断の精度が高まっています。キーワードに指定した語句がそのまま含まれていなくても、意図が同じ検索に対して広告が表示されたり、逆にその語句が含まれていても意図が異なると判断されて広告が表示されなかったりします。「部分一致」の名称では字面にフォーカスしたマッチタイプであるように思えてしまいます。そこで検索意図にフォーカスしたマッチタイプであることを明確にするため、「インテントマッチ」という名称に変更されることになったのです。
「部分一致」はまだ残っている
Google広告とYahoo!広告のキーワードマッチタイプでは部分一致はインテントマッチに変更されましたが、「部分一致」の名称は一部で残っています。Google広告では除外キーワードのマッチタイプも部分一致からインテントマッチに変更されましたが、Yahoo!広告の除外キーワードのマッチタイプでは部分一致の名称のままです。また、Microsoft広告では入稿キーワードのマッチタイプでも部分一致の名称のままです。
部分一致という名称自体は完全になくなったわけではなく、今後も耳にすることはあるでしょう。しかし、残っている部分一致の名称も、今後インテントマッチに変更される可能性があります。