ジョブリスティングとは?求人サイトや情報誌よりも費用対効果が高いって本当?運用ポイントを解説

ジョブリスティングというものをご存じでしょうか?企業経営者や採用を担当する人事部の方には、是非とも知っておいていただきたい採用手法です。

この記事ではジョブリスティングとはどのようなものか、従来の求人広告との違いや重要視される背景、メリットや採用成功のための運用ポイントなどを解説します。

高効率の採用広告「ジョブリスティング」とは

ジョブリスティングは採用広告の中でも特に高効率といえる手法です。ではどのような手法なのか、具体的に解説していきます。

リスティング広告とは

ジョブリスティングについて理解するには、そもそもリスティング広告について、その仕組みを理解しておく必要があります。

リスティング広告とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで検索した際、検索結果画面に表示される広告のことです。以下の「北海道 旅行」や「新宿 忘年会」で検索した結果画面において、「スポンサー」と表記のあるものがリスティング広告です。

リスティング広告は検索結果画面に掲載するだけでは費用が発生せず、広告がクリックされて初めて費用が発生する点が特徴です。運用次第では、その1クリックあたりの費用を安く抑えることも可能です。また、どのような検索に対して広告を表示させるか指定することができるため、広告に関連する検索を行っているユーザーを狙えば、より効率良くお問い合わせや予約などの成果を獲得できます。

テレビCMや看板広告などは多くの人に広く認知されるという点では優れていますが、購入や予約などには直接つながりづらく、費用も高いです。一方、リスティング広告は適切なターゲットを定めれば、購入や予約などに直接つながりやすく、費用対効果の高い広告手法といえます

ジョブリスティングとは

ジョブリスティングとは、リスティング広告でクリック後のリンク先に自社採用サイトを指定し、採用媒体を挟まずに直接広告出稿する手法のことです。採用リスティングとも呼ばれます。

「事務 転職」や「〇〇県 営業 未経験」などで検索したユーザーは、仕事を探している可能性が非常に高いです。自社の採用条件に近い検索をしているユーザーを狙い、ジョブリスティングをすれば、そこから人材を獲得できる可能性があります。

従来の求人広告との違い

従来の求人広告で採用がうまくいっていれば、ジョブリスティングを利用する必要はないのでしょうか。答えは「いいえ」です。たとえ現在採用がうまくいっていても、ジョブリスティングに挑戦してみる価値はあります。

ジョブリスティングは従来の求人広告と違い、求職者が採用サイトに訪れ、求人に応募するまでのステップが短くなります。従来の求人広告は複数社の求人が掲載される媒体上に掲載されています。つまり、求職者が自社へ応募するまでに「検索エンジンで検索→求人媒体を訪問→求人媒体内で検索→複数社で比較→自社の求人情報を見てもらう→自社の求人に応募」という6ステップが発生します。一方、ジョブリスティングであれば、「検索エンジンで検索→自社の求人サイトを見てもらう→自社の求人に応募」という3ステップです。ジョブリスティングは従来の求人広告に比べ、より効率良く求職者に接触できます

また従来の求人広告には、ターゲットが求人を探していないときに表示される広告もあります。別のことをしているときに求人広告が表示されれば、応募しようと思う可能性は低くなります。そもそも仕事を探していない人かもしれません。ジョブリスティングでは仕事を検索して探しているときに広告を表示させるため、そのようなミスマッチが起きづらいです。

ジョブリスティングには他にも多くのメリットがありますので、メリットの章で詳しく解説します。

なぜ今ジョブリスティングが注目されているのか

現在、日本では少子化が進んでいます。少子化が進むことで働く世代の人口も減っていきます。人材の母数が減れば採用における企業間競争は激しくなり、今後さらに多くの企業で採用難になっていくことが予想されます。いくら予算をかけても従来の方法のままでは人材を採れない、採用できても一人あたりの採用コストが大きくなってしまう、という状況がすぐそこに迫っています。

ジョブリスティングは採用コストを下げる選択肢として有効な手法です。すべての採用をリスティング広告に切り替える必要はありません。一部でも切り替えることで、全体の採用コストを下げることができるでしょう。

ジョブリスティングのメリット

ここからはジョブリスティングのメリットについて、1つずつ解説します。

掲載期間や予算を自由に決められる

ジョブリスティングはいつ始めて、いつ終了させるのか、自由に決めることができます。広告の内容が審査に通りさえすれば、いつでも配信を開始できます。リアルタイムに発生したコストを確認することができるため、予算上限に達したら広告を停止することも可能です。採用人数が予定数に至った段階で広告を止めることもできます。

求人媒体への掲載の場合は、最低掲載期間や予算が媒体側によって決められていることが多く、企業側が自由に決めることができません。その点、採用リスティングは掲載期間と予算を自由に決めることができます。

他社と比較されづらい

求人媒体では自社以外の求人も掲載されています。広告枠を使えば目立つ位置に掲載することもできますが、やはり他社の求人がすぐそばにあれば比較されてしまいます。

一方、ジョブリスティングでは検索結果画面に広告を表示させるため、他の検索結果との比較になります。例えば「事務 転職」で検索した場合、検索結果画面には求人サイトが広告や自然検索の結果として表示されています。そこにジョブリスティングで自社の採用サイトへの広告を掲載すれば、採用サイトへの広告(具体的な採用情報)と求人サイトとの比較となり、他社の求人情報と比較がされづらいという状態になります。

採用サイト閲覧までのステップが短い

前述のとおり、ジョブリスティングは採用サイト閲覧・応募までのステップが短くなります。求職者が自社へ応募するまで、従来の求人媒体を使っている場合は「検索エンジンで検索→求人媒体を訪問→求人媒体内で検索→複数社で比較→自社の求人情報を見てもらう→自社の求人に応募」の6ステップ、ジョブリスティングの場合は「検索エンジンで検索→自社の求人サイトを見てもらう→自社の求人に応募」の3ステップです。

ステップが多いほど途中で離脱する可能性が高くなります。採用リスティングは求職者が「仕事を探したい」と思ってから自社の採用情報にアクセスするまでの時間が短く、他社の求人と比較される機会が少ないのです。

予算に対する応募数を予測しやすい

ジョブリスティングでは1クリックあたりのコストと予算上限、応募率などから、どのくらい応募数が集まるのかを予測しやすいというメリットがあります。

リスティング広告において、お問い合わせや購入などの成果をコンバージョンと呼び、広告がクリックされた数に対するコンバージョンの割合をコンバージョン率と呼びます。業界を問わず、すべてのリスティング広告のコンバージョン率の平均は1%と言われています。つまりクリックを100件集めれば1件のコンバージョンが発生するということです。仮に予算が10万円で、1クリックあたり200円で広告を配信することができれば、500クリック集まり、1%のコンバージョン率なら5件の応募が獲得できます。

リスティング広告は運用次第でクリック単価を下げたり、コンバージョン率を上げたりすることができます。つまり、コンバージョン単価を下げ、より多くの応募を獲得することも可能です。また、テスト配信でいくら使い何件の応募を獲得できたかを把握できれば、予算を増やした場合にどのくらいの応募を獲得できるか予想しやすく、採用リスティングにどのくらいの予算を振るべきか判断しやすくなります。

ミスマッチを防ぎやすい

ジョブリスティングでは広告のリンク先を自社の採用サイトにすることで、人材のミスマッチを防ぎやすい特徴があります。

求人サイトでは掲載できる内容に限りがあります。また、掲載内容をリッチにするには、高いプランを契約する必要があります。さらに求人サイト内に自社の採用サイトのリンクを掲載しても、求職者が採用サイトを見てくれるとは限りません。少ない情報から応募をしてきた求職者は、自社にマッチしない人材である可能性が高くなります。

一方、ジョブリスティングでは広告のリンク先を自社採用サイトにすることで、クリックした人に必ず採用サイトを見てもらうことができます。自社採用サイトであれば、いくらでもコンテンツを自由に追加できます。求人の概要から、先輩社員の1日スケジュール・インタビュー、経営者からのメッセージ、社内イベントの写真、会社の紹介動画など、求人サイトでは掲載しきれない量のコンテンツを載せることができます。さらにページのデザインも自由に決められます。

求職者側としては、その会社で働いている自分の姿を想像しやすくなり、その会社がどのような人材を求めているのかが分かりやすくなります。結果としてマッチする人材からの応募が増え、マッチしづらい人材からの応募を減らすことができます。

リアルタイムで効果を測定し改善できる

リスティング広告では今いくらの予算を使い、何件のクリックを獲得し、何件のコンバージョンが発生しているのか、リアルタイムに確認することができます。ジョブリスティングでも同様です。

さらにどのキーワード、どの広告文でコンバージョンが発生しているのかもリアルタイムに確認でき、より応募が獲得できるキーワードや広告文の配信を強めるといった調整も可能です。時間帯や曜日、地域などでも配信を調整できます。配信結果を確認し、配信内容を調整していくことで改善していけるのがジョブリスティングです。

他媒体にクリエイティブを活用できる

求職者に対して、自社のどのような点をアピールするのが効果的なのか、ジョブリスティングでテストして確かめることができます。例えば「資格取得の補助制度」が含まれる広告文と「フレックス制」が含まれる広告文を用意して両方を配信すると、どちらの広告文がよりクリックされるのかを比較することができます。さらに採用サイトに掲載するコンテンツで応募率がどのように変わるのかもテストできます。

ジョブリスティングの配信結果から、より求職者に刺さる文言やコンテンツを他の求人媒体に転用することで、他媒体での応募率改善に役立てることができます。ジョブリスティングの運用改善は、採用全体の改善につながります。

採用コストを削減できる

応募率を高めたり、採用単価を下げたり、獲得人材のマッチ度を高めたりすることができれば、全体の採用コストを削減することができます。ジョブリスティングであればその3つともが可能です。

採用にリスティング広告を活用すべきケース

特に以下の条件に当てはまる企業では、今すぐ採用にリスティング広告を活用してみることをおすすめします。

予算が少ない

まずは採用にかけられる予算が少ない場合です。前述のとおり、ジョブリスティングは採用コストを削減できます。また、採用の効率を高めることもできます。限られた予算内でより多くの応募を獲得するには、ジョブリスティングがおすすめです。

今すぐ求人募集をかけたい

ジョブリスティングは今すぐ始められます。リスティング広告は広告の審査が必要ですが、入稿後に広告が配信されながら審査が始まる場合と、入稿したタイミングで審査が始まり審査後に配信が開始される場合があります。入稿したタイミングで審査に入る場合でも少なくとも数日以内に完了し、広告の配信が開始されます。

急な離職や休職で今すぐ求人をかけなくてはいけない状況に陥ることもあるでしょう。ジョブリスティングであれば、急ぎの求人にも対応できます。

現在の採用施策がうまくいっていない

現在の採用施策では応募がなかなか集まらない、コストがかかり過ぎている、といった問題を抱えている場合にも、ジョブリスティングはおすすめです。現在の採用施策を改善するのも選択の1つではありますが、今すぐ改善できるような内容でしょうか。そうでなければ一度ジョブリスティングを試してみるのをおすすめします。

費用対効果を把握したい

ジョブリスティングでは費用対効果を詳しく把握することが可能です。客観的な数値から費用対効果を把握することができれば、採用にリスティング広告を活用するべき理由を社内に説明しやすくなり、採用担当者の成果をアピールするのにも役立ちます。

ターゲット層がインターネット検索をよく利用する

若手人材やIT系の職種では、インターネット検索をよく利用する人が多く、仕事もインターネットを活用して探すことが多いでしょう。現代は多くの人がインターネットを使います。スマホを持っている人も多いです。シルバー人材を探しているというケースでなければ、ジョブリスティングは有効な手段といえるでしょう。

ジョブリスティングを成功させるポイント

最後にジョブリスティングを成功させるためのポイントを解説します。ジョブリスティングは広告をただ配信すれば良い結果が得られるものでもありません。ポイントを抑えて適切に運用することが大切です。

ターゲット層を明確にする

ジョブリスティングに限りませんが、採用においてターゲット層の明確化は欠かせません。キーワードや広告文、採用サイトの内容を考える際に、ターゲットがどのような人間で、どのようなアピールが刺さるのかを考えておくことが大切です。

目標を決める

採用活動では目標の採用人数を決めていることがほとんどでしょう。それ以外にも予算や採用単価も決まっていることが多いと思います。応募から採用し、実際に内定を受諾して入社してくれる人材の割合から、ジョブリスティングでの目標コンバージョン単価や目標コンバージョン数を定めましょう。

クリックしたくなるような広告文を作成する

ターゲットが魅力を感じるような広告文を作成しましょう。採用サイトを見て応募してもらうには、まずは広告をクリックしてもらわなければなりません。広告文は複数入稿することができるため、アピールごとに広告文を分けて作成し、どれが最もターゲットに刺さるか比較してみましょう。クリック率の低い広告は停止し、新たに新しい広告文を入稿して、クリック率を改善していきましょう。

魅力的な採用サイト・コンテンツを用意する

採用サイトには魅力的なコンテンツを用意しましょう。ただ求人情報を載せただけではアピールになりません。この会社に入ったらどのようなキャリアを描けるか、どのような働き方をするのか、ターゲットが想像しやすくなるようなコンテンツを用意しましょう。2パターンのページを用意し、広告ごとにリンク先をそれぞれ設定することで、採用サイトのABテストも可能です。

運用は継続的に行う

100件のクリックを集め、応募が0だった場合、今すぐリスティング広告を止めるべきでしょうか。止めるべきと考えた方は少し待ってください。もしかしたら101件目のクリックが応募につながるかもしれません。101クリック中1件の応募であれば、コンバージョン率はリスティング広告の平均である1%を切ってしまっていますが、102件目のクリックも応募につながれば、コンバージョン率は1%を超えます。このように母数が少ない段階では、広告を継続するか停止するかを判断することはできません。ジョブリスティングが採用に有効な手段であるかどうかの判断もできません。継続的な運用を経て、判断を下すべきです。

運用代理店を利用する

リスティング広告の運用には知識が必要です。また、長期的に運用を行ってきたことによるノウハウの有無が結果を左右します。自社内にリスティング広告の経験者がいれば社内で運用してみるのもいいでしょう。しかし運用できるか不安だったり、実際に運用してみて成果が得られなかったりするのであれば、運用代理店の利用をおすすめします。運用代理店であれば、最新の情報と知識、ノウハウによって効率よく広告を運用してくれます。特に、採用サイトの改善提案や制作会社の紹介も可能な代理店がおすすめです。

ジョブリスティングならジャックアンドビーンズへ

ジョブリスティングについて解説しました。今すぐ試してみたい、もっと情報を集めてから判断したいという経営者、採用担当者の方は、まずは一度ジャックアンドビーンズにご相談ください。現状の課題や目標値を伺いながら、ジョブリスティングのシミュレーションや運用方針などをご提案いたします。またウェブサイト改善の経験も多く、採用サイトの改善も対応可能です。ぜひ採用にリスティング広告を活用してみましょう。