Yahoo!広告のキャンペーン間における共有予算とは?メリットや注意点を解説

Yahoo!広告で共有予算の機能を活用すれば、広告表示の機会損失を防ぐことができます。しかし共有予算にはメリットだけでなく注意点もあります。

この記事ではYahoo!広告の共有予算について、概要やメリット、注意点、設定の方法などについて解説します。

Yahoo!広告の共有予算とは

1日の予算を使い切らないキャンペーンと予算が不足しているキャンペーンがある場合、共有予算の利用で余剰予算を予算不足のキャンペーンに自動的に振り分けることができるようになります。

例えばキャンペーンA、キャンペーンB、キャンペーンCの3つがあり、それぞれ1万円の上限予算を設定しているとします。どのキャンペーンも上限予算に達してしまい配信が1日の途中で終了してしまう日もあれば、上限予算まで至らない日もあるとします。また、それぞれのキャンペーンを上限予算2万円、合計で6万円にするのも難しいとします。

このときキャンペーンA~Cで共有予算を3万円に設定することで、例えばキャンペーンAの予算進捗が早く、日の途中でコストが1万円に達してしまったとしても、キャンペーンB、Cで予算進捗が遅く全体で予算上限3万円に達していなければ、キャンペーンAはコスト1万円を超えても配信を継続することができます。全体の予算の都合や運用工数の都合で調整が難しかった予算設定が、共有予算の機能を活用することで解決できるのです。

共有予算機能を活用すると、パフォーマンスレポートで共有予算ごとのインプレッション数など、実績値を確認できる「共有予算レポート」を作成できるようになります。共有予算レポートでは、共有予算単位でどのくらい広告が表示されているかが確認できます。キャンペーン単位で予算を設定していたときのキャンペーンA~Cの合計の表示回数と比較して、キャンペーンA~Cを共有予算でまとめたときの表示回数が多くなっていれば、共有予算機能を利用したことでメリットがあったといえるでしょう。

ただし、以下の入札戦略を選択している場合は共有予算を利用できません。

  • コンバージョン数の最大化(目標値なし)
  • コンバージョン価値の最大化(目標値なし)

共有予算のメリット

共有予算のメリットは、大きな工数をかけることなく広告掲載の機会損失を削減できる点です。特に全体予算に限りがある場合に効果を発揮しやすいでしょう。予算進捗を確認しながら手動で予算調整をする必要もありません。

共有予算の注意点

共有予算はメリットだけではありません。機能を利用する上で注意すべき点もあります。予算調整の管理工数を削減できるとはいえ、共有予算にはデメリットもあり、すべての広告案件におすすめできる機能ではありません。

共有予算では各キャンペーンの予算配分をコントロールできない

特定のキャンペーンに予算を傾けたい場合、共有予算を設定しているとそのコントロールができません。

季節や販促イベントの実施など、一部のキャンペーンで表示機会が増えることが予想できる場合、そのキャンペーンに予算を割いておくべきでしょう。しかし共有予算を設定している場合、他のキャンペーンで予算進捗が進んでしまって共有予算に余裕がない場合、せっかく増えた表示機会を逃して広告を配信できない可能性があります。

一部のキャンペーンで想定よりも配信が少なくなる可能性がある

1つのキャンペーンが1日の共有予算額をほぼ使ってしまうと、想定よりも他キャンペーンでの広告配信が少なくなる場合があります。特に今まで表示機会の損失が大きかったキャンペーンがある場合は、そのキャンペーンに予算が傾きすぎてしまい、他のキャンペーンで広告配信がほとんどなくなってしまうことも考えられます。

共有予算を設定する際は、インプレッションシェア損失率を確認してから組み合わせるキャンペーンを検討しましょう。予算の使用が特に大きくなると予想されるキャンペーンは、共有予算で他のキャンペーンとまとめるよりも、単独のキャンペーンのまま予算上限を上げた方がよいでしょう。

共有予算の設定方法

共有予算は以下の手順で設定できます。

  1. 検索広告のアカウント画面を開き、画面右上の「ツール」を選択
  2. メニューから「ライブラリー」>「キャンペーン間の共有予算」を選択
  3. 「共有予算を作成」ボタンをクリック
  4. 共有予算名を入力し、対象キャンペーンを選択
  5. 1日の共有予算を設定(※選択したキャンペーンの予算合計が表示されるが、「手動入力に切り替える」をクリックすることで任意の値を入力できる)
  6. 「作成」ボタンをクリックして完了

Yahoo!広告の機会損失を防ぐなら共有予算を活用してみよう

Yahoo!広告を運用意していて広告表示の機会損失が気になるのであれば、共有予算の活用を検討してみましょう。設定方法は簡単で、大きな工数をかけることなく効率的な予算管理を実現できます。

しかし共有予算にはメリットだけでなく注意点もあり、すべてのケースでおすすめできる機能ではありません。共有予算を活用すべきか、別の方法で運用の課題を解決すべきか、判断にお困りでしたらジャックアンドビーンズにご相談ください。現在のアカウントの状況を踏まえ、運用改善のご提案をいたします。