リスティング広告の代理店を選ぶ際はいくつかのポイントがあります。選び方のポイントを理解した上で代理店を探さなければいけません。しかし代理店の選び方には意外な盲点があります。それは“予算”です。
この記事では予算別のリスティング広告代理店の選び方について解説します。予算内で最適な代理店を選ぶためのポイントを紹介するので、これからリスティング広告代理店を探す広告主の方はぜひ参考にしてみてください。
目次
リスティング広告代理店の基本の選び方
リスティング広告の代理店の選び方について、基本のポイントは下記の記事で紹介しました。
この記事で述べたように、リスティング広告の代理店を選ぶ際は、以下のようなポイントを意識して選ぶとよいでしょう。
- 運用手数料の料金体系を理解し、状況に合わせて選ぶ
- 最低出稿金額の有無は必ず確認する
- KPI(中間目標)を設定し、ロジカルにPDCAを回してくれる代理店を選ぶ
- アカウントの共有(閲覧)が可能な代理店を選ぶ
- 信用できる運用担当者か確認する
- 正規代理店でも運用力を確認する
このポイントの中でも触れましたが、リスティング広告の代理店を選ぶ際は費用の面も考慮しなくてはいけません。特に“最低出稿金額”については最初にチェックすべき項目ともいえます。リスティング広告の代理店を選ぶ際の落とし穴である“最低出稿金額”について、次章で解説します。
リスティング広告代理店を選ぶ際の落とし穴
“最低出稿金額”とは、代理店から広告主に提示する「広告費として最低でもこのくらいの金額は使用してください」というものです。
リスティング広告の代理店を利用する場合、実費である広告費と代理店に支払う運用手数料の2つの費用が発生します。最低出稿金額は広告費の方に課せられる条件です。
例えば最低出稿金額が100万円の場合、「広告費100万円+運用手数料」が必要です。運用手数料を広告費の20%とする広告代理店の場合は、「広告費100万円+運用手数料20万円」の合計120万円が必要となります。つまりリスティング広告運用のために120万円以上の予算を確保しておかなければ、その代理店に運用を依頼することができません。
最低出稿金額が設定される主な理由は2つあります。
1つ目は運用結果を出すためです。
リスティング広告は広告がクリックされるごとに費用が発生する仕組みです。問い合わせや商品の購入などのユーザーの行動(CV:コンバージョン)は、まずは広告がクリックされなければ生じません。つまりリスティング広告の結果の良し悪しを判断するにも、運用の内容を改善するにも、ある程度のクリック数を集める必要があるわけです。同じCV1件でも、クリック2件のうちのCV1件とクリック100件のうちのCV1件では、そのリスティング広告運用の評価はまったく異なるでしょう。
初めてリスティング広告を出稿する際は、少ない広告費で様子を見てみようとするかもしれませんが、少なすぎる予算ではリスティング広告の採算性を確認することは困難です。
2つ目は運用代理店の利益を確保するためです。
リスティング広告代理店の運用手数料の形式は代理店ごとに異なります。月額固定制の代理店であれば、広告費がいくらであろうとも運用代理店の利益は変動せず安定しています。しかし多くの代理店が採用しているパーセンテージ型の運用手数料では、広告費の金額によって運用手数料が変動します。
一般的に広告費の20%を運用手数料とするパーセンテージ型の代理店が多いのですが、仮に広告費が100万円の広告主と10万円の広告主がいたとしたら、それぞれ運用手数料は20万円と2万円です。運用工数が同じでも運用手数料が少なくなってしまえば、運用代理店は赤字になってしまいます。そこで「最低限このくらいの運用手数料が得られない場合は依頼を受けるのは厳しい」という理由から最低出稿金額を設定しています。
リスティング広告代理店の予算別選び方・ポイント
それでは具体的にリスティング広告代理店の予算別選び方について、ポイントを交えて解説します。
なお予算の金額例を載せておきますが、リスティング広告を出稿する商材によって相場が異なります。競合の多い検索キーワードを狙う場合は必要な広告費が増えやすいため、あくまでも目安としてお読みいただき、詳しくは広告代理店に直接相談することをおすすめします。
予算が少額の場合:月額10万円以下
予算が少額で代理店を利用する場合は、受けられるサービスが限られることは理解しておくべきでしょう。ミーティングやレポートの頻度は少なく、場合によっては0であることもあり、手厚いサポートを受けることは難しいといえます。また、最低出稿金額の都合から対応可能な代理店の数も減ってしまいます。
手数料が月額固定制の代理店や成果報酬型の代理店であれば対応してくれる可能性があります。その場合、運用内容は簡単な予算管理や自動レポートといったものになることが多いのですが、広告出稿を狙いたい検索キーワードがはっきりしている、キーワードの数が少ない、広告を掲載することがまずは目的、などのようなケースであれば問題ないでしょう。
少額でも細かな運用が必要な場合は、社内担当者がリスティング広告について学んで社内で運用することを検討しましょう。一部のリスティング広告代理店では社内担当者育成のためのサービスやアカウント構築のみのサービスもあるため、それらと社内運用を組み合わせてみると良いでしょう。
予算が中規模の場合:月額数十万円~
月額数十万円以上の予算があれば、パーセンテージ型の代理店でも対応してくれることが増え、選べる代理店の数が広がるでしょう。ただし全国規模で有名な大手広告代理店に依頼するのは難しいと考えておくべきです。中小規模の広告代理店でも運用力の高い代理店は多く、むしろ密なコミュニケーションによる手厚いサービスを期待できることもあります。
予算が数十万円あるとはいえ、競合の多いキーワードを狙ったり、積極的に広告を配信したりする場合では余裕があるとはいえません。広告代理店を選ぶ際は運用力に注目して選び、限られた予算内でも最大限の効果を得られるようにしましょう。代理店を選ぶ段階での提案内容や運用事例を比較することをおすすめします。
潤沢な予算がある場合:月額数百万円~
月額数百万円、中には数千万円規模の予算を用意できる場合もあるでしょう。その場合、リスティング広告だけでなくその他のウェブ広告や紙媒体への広告出稿など、複数の広告媒体を組み合わせるケースは珍しくありません。そのようなケースでは大手広告代理店に依頼すると、すべての広告に関して一括で管理してくれるため、代理店とのコミュニケーションに関して広告主側の負担を減らすことができます。
ただし大手広告代理店に依頼する場合、広告の種類ごとに下請けに運用を依頼するケースも珍しくなく、実際の運用は中小規模のリスティング広告代理店が担当していることもあります。その場合、運用を担当する代理店選びは大手代理店次第となるため、広告主が望むような運用力重視の代理店選びができないこともあります。
もし大手代理店に依頼する場合は、実際に運用するのは誰なのかを確認するとよいでしょう。下請けの代理店の運用に問題がある場合は、取りまとめている大手代理店に伝えて別の代理店に乗り換えることも検討すべきです。
予算内で最適なリスティング広告代理店を選ぶには
予算内で最適なリスティング広告代理店を選ぶには、次の流れで代理店を選別していきましょう。
ホームページで最低出稿金額を確認
まずはリスティング広告代理店のウェブサイトで最低出稿金額を確認しましょう。多くの代理店ではウェブサイト上に最低出稿金額に関する説明が記載されています。その時点で予算を超えてしまう代理店は候補から外してしまって問題ありません。
問い合わせで詳しい話を聞く
最低出稿金額をクリアした代理店、最低出稿金額についてウェブサイトでは確認できなかった代理店については、メールフォームや電話などで詳細を問い合わせてみましょう。その際に予算を伝えておけば、対応できない場合は代理店の方から断ってきます。
予算について迷っている、いくらくらいの広告費を用意すればいいのかわからないという場合も相談の時点で伝えておくと、目安を提案してもらえます。
残った広告代理店を比較する
残った対応可能な代理店を比較します。費用のみを単純に比較するのではなく、費用と提案内容とのバランスも考えて比較しましょう。
費用以外の代理店選びのポイントは最初に紹介した下記の記事で解説しています。費用面の条件をクリアした代理店を選ぶ際の決め手として参考にしてみてください。
まとめ
予算に応じたリスティング広告代理店の選び方について解説しました。予算が限られている場合は代理店の利用が難しくなりますが、中には自動レポートや簡易的なアカウント管理、社内担当者向けの研修サービスなど、一部対応できる代理店も存在します。予算に応じて必要な代理店サポートを選んでみましょう。
ジャックアンドビーンズは、最低出稿金額なし、運用手数料は月額固定10万円〜でリスティング広告の運用を代行いたします(※手数料は運用内容によって相談可能)。
パーセンテージ型の手数料を採用する代理店とは異なり、月額固定制では広告費が増えても手数料は増えません。成果効率の悪い検索キーワードへの配信を弱めたり、関連性の低い検索キーワードの除外設定も積極的におこなえるため、無駄になってしまっている広告費を削減し、成果に繋がる配信面を強化する運用も可能です。
広告の配信目的や目標、予算に応じて最適な運用内容をご提案いたしますので、まずはお気軽にご相談ください。