なんとコンバージョン率が約1.5~2倍!サイトリンクを有効活用しよう。

リスティング広告運用において、もはや必須なのがサイトリンクの設定。上記の画像であれば、蛍光ペンが引いてある4つのリンクがサイトリンクです。 サイトリンク機能については、一般にクリック率が上がるという点がメリットとしてあげられています。 今回はサイトリンク経由の訪問のコンバージョン率についても調査し、コンバージョン率も上がるという結果を得ることが出来たので、ご紹介させていただきます! 

サイトリンクとは

サイトリンクの仕組み

サイトリンクとは、通常のリンク先 URL に加え、サイト内の別のページへのリンクを広告に追加するGoogle広告の機能です。Yahoo!広告では同様の機能でクイックリンクオプションがあります。

サイトリンクを設定しておくことで、この画像のように、通常のリンク先に加えてGoogle広告ではPCは最大6個、スマートフォンやタブレットの場合はカルーセル形式で最大8個Yahoo!広告では最大6個まで広告に表示させることが可能です。。ただし、サイトリンクが表示されるためには、最低限プレミアムポジションに広告が表示されていることが条件です。(※プレミアムポジションとは検索結果の上部に表示される広告枠です。) サイトリンクがクリックされた場合の課金は、通常の広告のリンク先URLがクリックされた場合と同様の価格が課金されます。 

また、サイトリンクはサイト内の別ページのリンクを追加する機能であるため、通常のリンク先URLと同じURLを、サイトリンクに設定することはできません。しかし、情報がすべて1ページにまとまっているサイトも存在します。そのようなサイトでもサイトリンクを設定できるといいですよね。

リンク先のページは同じでも、URLの見た目が通常のリンク先URLと異なれば設定することができます。URLにパラメータをつければ、同一リンク先でもサイトリンクとして設定することができるのです。

「https://j-mamenoki.co.jp/listing/」が通常のリンク先であれば、「https://j-mamenoki.co.jp/listing/?sitelink=001」のようにパラメータをつけることで、同一ページをリンク先としたサイトリンクを設定することができます。

サイトリンク表示オプションについて – Google広告ヘルプ

クイックリンクオプションとは – Yahoo!広告ヘルプ

サイトリンクを利用するとクリック率が上がる

一般的には、サイトリンクを設定することで広告のクリック率が上がると言われています。様々なユーザーに向けて、よりピッタリの入り口を用意することができますし、検索結果画面で占める面積も単純に増えるので、この点に関しては、おそらく間違いないでしょう。

サイトリンクでコストカット

また、クリック率があがれば、広告の品質スコアが上がるので、クリック単価が下がります。ですから、プレミアムポジションに広告を表示できている場合は、コスト削減の面からも、サイトリンクを活用されている企業が多いのではないかと思います。 

広告ランク=品質スコア×入札単価広告ランクや品質スコアについては以下の記事を確認してみてください。品質スコア – 完全ガイド(Google Adwords Labo)

 一方で、クリック率が上がるのは良しとして、ユーザーがサイトリンクからサイトに入ってきてくれた後まで、きちんとデータを計測して、最適なサイトリンクを設定できているのでしょうか。 今回は、サイトリンクから流入した後のコンバージョン率について調べてみました。 

サイトリンクの活用でコンバージョン率も上がるのか

クリック率だけでなくコンバージョン率にも注意しよう

サイトリンクを活用することでクリック率は上がりますが、サイトリンク経由で流入したユーザーのコンバージョン率が低ければ意味がありませんよね。いくらクリック率が上がろうと、クリック単価が安くなろうと、コンバージョンしないユーザーを集めるのにお金を払っていては、本末転倒です。クリック広告の運用においては、常に全体最適を意識することが大切です。 

サイトリンクによって、ユーザーを目的のページに直接飛ばすことが出来る。

さて、まずは机上論で考えてみましょう。サイトリンクを設定することで、ユーザーの目的に合わせたランディングページに誘導することができます

例えば、セール情報が欲しい人には、直接セール情報のページに、店舗情報が欲しい人には直接店舗情報のページに、サイトリンクから飛んでもらうことが出来ます。 つまり、サイトリンクを設定することによって、ユーザーがトップページから入って、知りたい情報がどこにあるかを探して辿り着く手間を省くことが出来ます。知りたい情報のページに辿り着けずにあきらめてサイトを離れてしまう等の事態を防ぐことができるので、理論上はコンバージョン率も上がるのではないかと予想できます。

果たして、本当にこの通り、サイトリンクによってコンバージョン率を上げることが出来るのでしょうか。 今回、J&B Laboでは、実際の数値を調べてみることにしました。 

調査結果ではコンバージョン率が約1.5~2倍!

調査概要

今回の調査では、コンピューターとスマートフォンという二つのデバイスに分けて集計を行いました。 各リスティング広告運用のデータから、

  • 広告タイトル
  • サイトリンク

を、それぞれクリックした場合のコンバージョン率を集計してみました。 以下が、その結果になります。 

調査結果

PCでは、広告タイトルのコンバージョン率の平均が0.88%となっているのに対して、サイトリンクではコンバージョンが、なんと1.77%となっています!スマートフォンでは、広告タイトルのコンバージョン率が9.76%に対して、サイトリンクのコンバージョン率がなんと12.54%となっています。 もちろん商品や状況、LPによっても差があるとは思いますが、今回の調査では、サイトリンク経由でサイトを訪問したユーザーは、全体でみるとPCでは約2倍、スマートフォンでは約1.5倍のコンバージョン率となっています。なお、今回集計した結果では、PCのコンバージョン数がやや少ないのですが、P値は0.0019となっており、この有意差は認められると考えて問題なさそうです。 もし、あなたの広告がプレミアムポジションに掲載されている場合、きちんとしたサイトリンクを追加することは、クリック率やコンバージョン率を改善するうえで、とても大切だと言えるでしょう。 

サイトリンクの設定方法

サイトリンクの設定方法については、以下の記事をご覧ください。『サイトリンクを設定する方法』

なお、サイトリンクには拡張サイトリンクと呼ばれる機能があります。サイトリンクをまるで広告文のタイトルのように扱い、その下部にサイトリンクの説明文が表示される機能です。拡張サイトリンクを用いることで、さらに広告の占有面積を増やしたり、ユーザーへのアピールとなる情報を盛り込むことができます。

必ず拡張サイトリンクも表示されるとは限りませんが、表示された場合のことを考えるなら設定しない理由はありませんね。拡張サイトリンクは是非とも設定しておきましょう。

サイトリンクを有効活用する3つのポイント

(1) 徹底したユーザー目線

サイトリンク機能を有効に活用するためには、徹底したユーザー目線が必要です。 

  1. 検索してきたユーザーが何を求めているか
  2. そのニーズを満たす、問題を解決するページは、自社のウェブサイトに存在するか
  3. どのようなサイトリンク文にすれば、リンク先にどのような情報があるかが伝わるか
  4. ユーザーはどのページを見ているのか

など。 そのためには、ユーザー像を具体的にイメージすることが大切です。 

  1. どこに住んでいるのか→地域ページをサイトリンクに出すのが良いかもしれません。
  2. 何を求めているのか→近くにショップが無いから、通販で買いたいのかもしれません。
  3. どのような問題を抱えているのか→ヘルプや問い合わせが必要なのかもしれません。
  4. ユーザーはどのページを見ているのか→Googleアナリティクスでよく見られているページを設定すると良いかもしれません。

ユーザーが欲している情報やコンテンツを「ウェブサイトに準備しているよ」ということを、サイトリンクで分かりやすく伝えましょう。リスティング広告の基本は、課題や悩みのあるユーザーと、それを解決する自社サービスのマッチングです。 

(2) キャンペーンやセール情報、特集やプロモーション

ユーザー目線とは逆とも捉えられるかもしれませんが、ユーザーの潜在ニーズに応えることも重要です。ブランド名で検索した際に、キャンペーン中だということが分かれば、買いたくなるかもしれません。自分の独りよがりな押し付けではなく、ユーザーにとって本当に価値がある情報やコンテンツであれば、積極的に伝えて、おもてなしをしていきましょう。 

(3) データを振り返り、改善する

いくらユーザー目線に立って、仮説を立て、サイトリンクを設定したところで、その結果を振り返らなければ、仮説が正しかったかどうかは分かりません。 設定した各サイトリンクのクリック率だけでなく、そこから流入したトラフィックが、

  • どのくらいページに滞在しているのか
  • どのくらいリンク先の情報に興味を持っているのか
  • どのくらいコンバージョンしているのか 等

しっかりとデータを計測しながら、仮説を振り返り、よりユーザーのニーズに応えるサイトリンク・ランディングページに最適化していきましょう。URLにパラメーターを振っておくと、Googleアナリティクスでも結果をチェックしやすいですね。 また、サイトリンクによって、トップページ以外からウェブサイトに入ったユーザーにも優しいウェブサイトの構造にしておくことも、直帰や離脱を防ぐうえで大切です。導線を意識しながら、適切なページに向けたリンクを貼ったり、サイトリンクの各ランディングページにも、全体から見て必要な情報を追加する等、ユーザーが迷子にならないように、ユーザビリティーを意識しましょう。 

まとめ

今回の調査で、全体としてはサイトリンク機能を活用したほうが、コンバージョン率も高いことが分かりました。次は、セール情報、店舗情報、問い合わせ情報など、サイトリンクの種類ごとにコンバージョン率を調べてみたいですね。何はともあれ、まずはユーザーを意識しながら、サイトリンクを設定し、表示されるようにしてみましょう。計測できる状態にしておくことをお忘れなく。