Google広告の拡張コンバージョンを活用できているでしょうか?拡張コンバージョンはGoogle広告の運用をより効率化するためにも必須の機能です。
この記事ではGoogle広告の拡張コンバージョンについて、その必要性や仕組み、種類、メリット、デメリットについて解説します。
目次
拡張コンバージョンとは
拡張コンバージョン(拡張CV)とは、既存のコンバージョンを補完する機能で、Cookie技術を用いずにCV計測が可能になる機能です。「来店、EC購入・カート申込、動画閲覧後のCV」など、様々な用途で利用できますが、リード情報を送信するコンバージョンアクションに限定されます。Google広告でリード情報を送信するコンバージョンアクションを計測している場合は、活用必須の機能の1つといえるでしょう。
拡張コンバージョンに注目が集まる理由
なぜ拡張コンバージョンに注目が集まるのか、以下の2点が理由として挙げられます。
- Cookie制限によりCVデータの取得機会が減っているため
- 来店や実店舗購入など、オフラインの効果計測を正確に行おうとする流れがあるため
Google広告を含むウェブ広告では、「同じ広告に追いかけられて気持ちが悪い」「検索履歴をもとに広告が表示されて、個人情報が筒抜けになっているようで不安」といった声がユーザー側から聞こえてくるようになっていました。同時に、個人情報の取り扱いについて、より慎重になるべきといった世相もあり、日本を含む各国で個人情報保護に関する法改正や規制が進んでいます。
その結果として、従来のコンバージョン計測に用いられていたCookieが規制されることとなり、ウェブ広告のコンバージョンが計測しづらい状況となってしまいました。GoogleはChromeでのサードパーティCookieを2024年後半に廃止する予定を発表しています。そこで生まれたのがCookieを用いずにCV計測ができる拡張コンバージョン機能です。拡張コンバージョンであれば、ユーザーの個人情報を守りながら、CV計測ができるようになります。
さらに、拡張コンバージョンでは従来のCV計測でも追うことができていなかった来店や実店舗での商品購入などのオフライン取引まで計測することができます。ウェブサイトでは売り上げが発生しないケース、例えばウェブ予約をしてから来店、購入や成約に至る整体院や美容サロン、不動産業などでは、ウェブ広告がどのくらい売り上げに貢献しているかを精確に把握することができませんでした。しかし拡張コンバージョンを用いればオフラインのCVもウェブ広告も結びつけやすくなり、より精確な広告効果を把握することができるようになります。
ウェブ広告はTVCMや看板広告などのマス広告と比べて費用対効果を計測しやすい点が大きなメリットです。拡張コンバージョンは、Cookie規制によってそのメリットが損なわれるのを防ぎ、かつ、従来よりさらにCV計測の精度を高める画期的な機能といえます。
拡張コンバージョンの種類
拡張コンバージョンには、「拡張コンバージョン(ウェブ向け)」と「リードの拡張コンバージョン」の2種類があります。
拡張コンバージョン(ウェブ向け)
拡張コンバージョン(ウェブ向け)は、ウェブサイト上で発生するオンラインコンバージョンを計測するための機能です。一見、従来のCV計測と違いがないように思えますが、裏側の計測の仕組みが従来のCV計測と異なります。詳しくは拡張コンバージョン計測の仕組みの章で解説します。
リードの拡張コンバージョン
リードの拡張コンバージョンは、既存のオフラインCVデータをGoogleにアップロードし、より正確なCV測定やより優れた入札最適化を可能にする機能です。広告主はオフラインCVデータをGoogleにアップロードする必要があります。こちらの仕組みも次の章で詳しく解説します。
拡張コンバージョン計測の仕組み
拡張コンバージョンの計測の仕組みについて解説します。その前に従来のCV計測の仕組みについて把握しておきましょう。
従来のコンバージョン計測の仕組み
従来のコンバージョン計測では、ユーザーが広告をクリックするとウェブサイトに埋め込まれたタグによってCookieにユーザー情報が書き込まれます。そしてウェブ上でコンバージョンすると、その情報をもとにCVがカウントされる仕組みになっています。
従来のCV計測において、Cookieはなくてはならないものであることがお分かりいただけるかと思います。
拡張コンバージョン(ウェブ向け)の計測の仕組み
拡張コンバージョン(ウェブ向け)では、ユーザーが広告をクリックしたときに、Cookieではなくパラメータ(GCLID)を付与し、CVユーザーの情報(メールアドレス、電話番号など)がハッシュ化され、Googleに送信されます。ユーザーと広告に対して何らかのアクションを取ったGoogleアカウントが照合され、CVがカウントされます。
リードの拡張コンバージョンの計測の仕組み
ユーザーが広告をクリックし、パラーメータ(GCLID)が付与され、キャッシュ化されたユーザー情報がGoogleに送信されるところまでは拡張コンバージョン(ウェブ向け)と変わりません。リードの拡張コンバージョンでは、ハッシュ化されたデータと広告主がアップロードした実データが照合され、CVと判断されます。
拡張コンバージョンのメリット
Cookie規制により計測が困難となったCVやそもそも計測が難しかったオフラインCVが、拡張コンバージョンにより計測できるようになることは、これまでの説明でご理解いただけたかと思います。拡張コンバージョンにはそれ以外にもメリットがあります。拡張コンバージョンのメリットについて1つずつ整理します。
従来技術では計測困難なCVをアカウントへ反映できる
Cookie規制により計測できなくなったCVやオフラインCVをアカウントへ反映できます。また、サイトの仕様などで本来計測ができないCVデータもアカウントに反映できるようになります。これによりGoogle広告の費用対効果をより精確に把握することができるようになります。
CVデータ不足の解消
Google広告では自動化が進められています。今までは運用者が広告のパフォーマンスを見て運用方針を判断し、手動でアカウントを調整する必要がありましたが、広告の自動化が進んでいる現在では、よりCVが期待できる設定に自動で調整してもらえるようになっています。
しかし自動化機能を活用するには十分な量のCVデータが必要となり、CVデータが少ないアカウントでは自動化機能が利用できないという問題があります。拡張コンバージョン機能をオンにすることにより、CVの総数が増え、広告の自動化も利用しやすくなるというメリットがあります。
GTMで簡単セットアップできる
拡張コンバージョンはGoogleタグマネージャー(GTM)で簡単に設定することができます。誰でも気軽に利用できる機能ですので、拡張コンバージョンを利用していない場合は、すぐに設定を行いましょう。
拡張コンバージョンのデメリット
拡張コンバージョンのメリットを解説しましたが、デメリットもあります。
- GTMの簡単セットアップでは取得できるデータに制限がある
- 問合せフォームやThanksページ等、サイト改修が必要になる場合がある
- 顧客データをアカウントへインポートする手間がかかる(機能連携などで自動化することは可能)
新しい機能を利用するには、その設定を行う必要があり、手間が発生するというデメリットは避けられないものです。そのため、設定方法が分からない、設定が面倒という場合は、Google広告の運用代行を行っている広告代理店に依頼しましょう。拡張コンバージョンのデメリットは広告代理店に外注してしまえば、解決するものがほとんどです。
今すぐ拡張コンバージョンを活用しよう
Google広告の拡張コンバージョンについて解説しました。従来のCV計測方法が機能しなくなりつつある現在、拡張コンバージョンは大きなメリットがあり、利用必須の機能といえるでしょう。デメリットも広告代理店に任せることで解決できるものです。「設定が難しいかも」「よくわからない」と不安に思う方も、拡張コンバージョンを利用できるように、一度代理店に相談してみることをおすすめします。
ジャックアンドビーンズはGoogle広告をはじめ、Yahoo!広告やMicrosoft広告、SNS広告、Indeed広告などの各種広告媒体を取り扱っております。拡張コンバージョンの設定についてだけでなく、ウェブ広告の運用改善、ウェブサイトの改善などの相談も承っております。ぜひお気軽にご相談ください。