オウンドメディアは、これまで接点のなかったユーザーに効果的にアプローチし、「顧客を育てる」ことができる、従来の広告手法とは全く異なるマーケティング手法です。初めて接点を持った「潜在顧客」から「見込み顧客」を経て「顧客」に、さらには「優良顧客」となり周りの人に勧めてくれるようになる「ファン」にまで育てることができれば、自社の成長の大いなる助けとなるでしょう。
「自社のファンを作れる」のはSNSなどでも可能ですが、「コンテンツが資産となる」のは、他にはないオウンドメディア最大のメリットです。
この記事では、オウンドメディアを効果的に運用し、メリットを最大限享受するためのポイントを、わかりやすく解説します。これからオウンドメディアの運用を考えている担当者の方は、成功までの道筋で遠回りすることないように、また、現在オウンドメディアを運用中の担当者の方は、これまでの道のりを振り返りつつ必要があれば軌道修正できるよう、この記事をお役立てください。
目次
オウンドメディアの運用において欠かせない5つの重要ポイント
オウンドメディアを効果的に運用するために、欠かせない重要ポイントは5つです。1つずつわかりやすく解説します。
目的のないメディア運用はブレの元
自社になぜオウンドメディアが必要か、オウンドメディアで何を成し遂げたいのか、その目的を明確にしてオウンドメディアの構築・運用をスタートさせましょう。
「新しいマーケティング施策を試したい」などの曖昧な目的や、「他社もやっているのでとりあえずはじめる」などの見切り発車では、メディアのコンセプトが定まらずブレの原因になります。運用方針が定まっていないメディアが結果を出すのは、まず不可能と考えてよいでしょう。
まずは、なぜオウンドメディアを立ち上げるのか、目的を明確にすることが大切です。
【オウンドメディアの目的例】
- 新規顧客を獲得したい…潜在的な顧客に「優良なコンテンツ」を届けることで接点を持ち、新規顧客獲得に繋げる
- ブランディングしたい…自社の商品やサービスについてユーザーに深く知ってもらい愛着を持ってもらう
- 他社との差別化を図りたい…自社の商品やサービスの特色や強みを解説したコンテンツを発信し、「差別化」を明確にする
- Web広告費を削減したい…高騰しているWeb広告に代わりユーザーにリーチする
- 優秀な人材を増やしたい…自社の理念や働き方など詳しく発信し採用活動に繋げる
ここにあげた目的は一例になります。目的を決める際は、まず自社の課題を洗い出し、オウンドメディアで解決できる課題は何か検討しましょう。
問い合わせや購入などのゴール設定が必要
オウンドメディアの目的は様々ですが、最終的に自社の新規顧客獲得に繋げたいという企業は多いでしょう。
その場合は、明確なゴール設定が必要です。「問い合わせ」がゴールであれば、各コンテンツの最下部に「問い合わせフォームを設置」、「購入」がゴールであれば、商品紹介とリンクを組み入れるなど、スムーズにユーザーを誘導できる導線を作ります。バナーを制作し設置するのも有効です。あくまでもユーザー視点で、わかりやすく誘導しましょう。
また「数値」としてのゴール設定も必要です。オウンドメディアから「新規問い合わせ月〇件」「商品購入 月〇件」など、具体的な数字を設定しましょう。
定量的にメディアの状況を把握して良し悪しを判断する
意外に感じるかもしれませんが、オウンドメディアを漫然と運用している企業も多いのが実情です。オウンドメディアの運用は、分析と改善のサイクルを止めずに回すことが重要ですが、それを軽視あるいは理解していない、または担当者は理解しているが社内の賛同を得られず、リソースを割けない場合もあります。
オウンドメディアのPV数や問い合わせ数、CV率など、定量的にチェックし、施策の判断を行うことは、オウンドメディア運用の欠かせない要素です。軽視せず、欠かさずに行いましょう。
継続的な運用がメディアの成長に繋がる
オウンドメディアは短期的に結果が出るものではありません。少なくとも結果が見えはじめるまでに半年以上かかります。さらに、継続的に運用しなくては、Googleからの評価も下がりユーザーが離れてしまいます。
オウンドメディアが他のマーケティング施策と大きく異なるのは、コンテンツが「資産として蓄積される」ことです。継続的に運用しなければ、「資産」にはならず、構築のために費やしたコストやリソースが無駄になってしまいます。
継続的な運用のポイントは、「分析と改善を繰り返す」ことと、「良質な新規コンテンツをアップし続ける」ことです。特に、「ユーザーのためになる情報」を発信し続けることは、メディアへの信頼度が向上し、「ファン化」にもつながります。
ある民間企業が行ったオウンドメディアに関する調査によると、メディアを運用している担当者の約70%、運営を停止した担当者の約77%が、「新規コンテンツ公開が必須」と答えています。
ユーザーにとって有益なコンテンツを、毎月コンスタントに発信し続けることが重要といえるでしょう。
Googleの発信やその他メディアの傾向を日々チェックする
チェックするポイントは2点です。1点はGoogleのアップデートなどGoogleからの発信です。オウンドメディアへの流入を増やすために、Googleの検索順位をあげる「SEO対策」は必須です。「SEO対策」の改善に直結するGoogleの発信は必ず確認しましょう。
もう1点は、自社メディア以外のオウンドメディアの傾向やトレンドです。SNSと積極的に連動し「記事がバズる」状況となり認知向上したり、社員を名前・写真入りで積極的に紹介することでブランディングに成功したりと、話題になりPV数が「激増」したオウンドメディアの傾向を知ることは、自社のメディアの新たなアイデアにも繋がります。
情報収集は怠らないよう、常に意識して行いましょう。
オウンドメディアの運用を外注すべき理由
オウンドメディアの運用は、多くの企業が外注しています。特に、オウンドメディアをこれから立ち上げるが社内にノウハウがない、実際に運用しているが成果が全くでないなどの場合は、外注が必須になります。
オウンドメディアの運用に外注が必要な理由を、4つのメリットをあげて解説します。
社内の負担を増やすことなく運用できる
オウンドメディアの運用には、多くのリソースが必要です。主なものだけでも以下のようなタスクが発生します。
- 企画立案…メディア全体の方向性や目的にあった企画を考案
- キーワードの選定…メディアが目指す目的、設定したペルソナにマッチし、かつSEO施策としても優位になるキーワードを見つける
- コンテンツの構成作成…狙うキーワードをもとに、ユーザーのニーズを分析
- ニーズを満たすコンテンツ内容となるよう見出しを作成
- コンテンツ執筆…コンテンツ構成を元に、わかりやすいコンテンツを執筆
- 校閲・編集…事実と相違ないか、日本語としての間違いはないか、コンテンツ内で齟齬はないかなど、ユーザーに寄り添ったコンテンツになっているかなど、様々な項目でコンテンツをチェックし公開
- データ分析…公開したコンテンツにユーザーがどのように流入しているかなど分析し改善点を検討・実施
ほかにもサイトそのものの構築や、細かな作業・判断を求められ、オウンドメディア運用に必要なリソースは膨大です。豊富なリソースとノウハウを持つオウンドメディア専任のチームを新たに編成し対応できる環境などでなければ、外注が必要でしょう。
プロの専門知識と経験をもとに運用できる
オウンドメディアの運用は、継続的に行うことが重要なのは先に述べた通りです。しかし、「継続していれば確実に結果がともなう」というわけではありません。リソースとコストを投じても、一つも結果が出ない可能性もあります。
オウンドメディアの運用を外注すれば、専門知識とノウハウを蓄積したプロがオウンドメディア運用をコントロールしてくれます。もし、自社に多少のノウハウがあったとしても、常にブラッシュアップしアップデートを重ねているプロの介入は、成果への近道となるでしょう。
また、プロの介入を受けて運用することで、最新の情報を踏まえたノウハウを、社内に蓄積できるメリットもあります。
ウェブ広告との連携やサイト改修などにも対応しやすい
オウンドメディアがある程度かたちになれば、リスティング広告などのウェブ広告と連動させたマーケティング施策も可能になります。社内にノウハウや前例がなくても、オウンドメディアとウェブ広告の両方に実績のある会社に依頼すれば、スムーズに進められます。
またPV数のアップやコンテンツ数、カテゴリの増加など、あらゆる理由でオウンドメディア改修が必要な場合も、依頼することが可能です。
サービス・商材の見せ方を第三者視点で判断してもらえる
最初に自社のサービスや商材の強みを、オウンドメディアの依頼先と共有します。しかし、自分のことは自分では見えにくいのと同様、自社の本当の強みが見えていないという事例は、ビジネスシーンでもたびたび起こります。
自社の強みを生かすためのオウンドメディア運用を通じ、外注先のプロの目線で、違った切り口の強みや、見せ方のアイデアが生まれることも多いです。
オウンドメディア運用の外注は、自社のコンサルティングにも繋がるといえるでしょう。
オウンドメディアの運用先の選び方
オウンドメディアを育てて、コンスタントに成果を得るためには、運用の依頼先をどこにするかが大きく左右します。どのような基準で選べばよいか、3つの視点を紹介します。自社の方針にマッチした運用先を選べるようチェックしてください。
実績を確認する
オウンドメディアの運用で成果を出すためには、ノウハウの蓄積が必要です。外注先にどのような実績があるかは、成果の出るノウハウをもっているかの判断基準になります。外注先のホームページに、掲載されている実績(企業名)は必ず確認しましょう。
実績が掲載されていない場合は、その時点で依頼先候補から排除しても差し支えありません。実績を確認したら、問い合わせて担当者と面談を行います。その時点で、企業名だけではなく、実際に運営しているメディアや制作したコンテンツを確認させてもらいましょう。
制作物の質がよいか、料金とのバランスはよいかチェックします。さらに成果レポートも確認できればなお良いです。オウンドメディア運用開始から、どれくらいの期間で具体的にどの程度の成果があったか、またかかった予算はどの程度か見ることができれば、依頼先選定だけではなく、これからのオウンドメディア運用にも、大いに役立ちます。
対応範囲を確認する
オウンドメディアの運用に必要なタスクは膨大というのは、すでに述べた通りです。そのタスクのうちどの過程を外注すればよいかは、社内の状況により大きく異なります。通常の業務を圧迫しない範囲でどこまでリソースを割けるか、ノウハウを持つ人材がいるかどうかで、外注の範囲を決めます。
重要なのは、外注の範囲に関わらず、オウンドメディア運用全般が対応範囲になっている外注先を選ぶことです。なぜなら、運用中にメディアの方針や社内の事情がかわり、外注範囲を変更せざるをえないことも多いのです。
たとえば、社内にある程度ノウハウを持つ人材がいて、リソース的にコンテンツ執筆のみ外注するとします。その際、コンテンツ執筆のみ対応の会社に依頼してしまうと、運用中に担当者の退職や、別の事業の拡大でリソースが割けないなどの事態が発生したとき、執筆以外のタスクは依頼できないため、また別の会社を探して依頼する必要が出てきます。
新たな依頼先とは、自社のサービスや商品の強みや、メディアの方向性、獲得したい成果など、様々な要素を1から共有する必要があり、貴重なリソースを奪われてしまいます。
状況によって外注範囲を柔軟に変えられるよう、外注したい範囲に関わらず、オウンドメディア運用全般について対応できる会社を選んでおきましょう。
施策内容や頻度について確認する
オウンドメディア運用は、「コンテンツをアップして終わり」ではなく、常に分析・改善が必要です。ユーザーがサイトにどのように流入しているか、サイト内の行動分析、さらにコンテンツそのものの情報が古くなっていないか、加筆・修正するポイントはないかなど、オウンドメディアをあらゆる方向から分析し改善しなければ、健全な運営とはいえません。
オウンドメディアの運用外注先には、どのような施策をどれくらいの頻度で行うのか確認しましょう。明確な回答がない外注先は、注意が必要でしょう。
オウンドメディアの運用なら「ジャックアンドビーンズ」
オウンドメディアの運用は、ぜひ実績豊富な「ジャックアンドビーンズ」にご相談ください。1本の記事制作から、サイトの立ち上げ・企画を含むオウンドメディア運用全体の施策まで、御社のニーズに合わせた範囲で対応可能です。
さらにウェブ広告の実績も多数あり、SNSやリスティング広告など様々な媒体での施策と連動した戦略もご提案できます。ぜひお気軽にご相談ください。
まとめ
オウンドメディアは、継続することでより大きな成果を生むマーケティング手法です。まだ始めていない場合は、結果が出るまで時間を要する分、プロに依頼し少しでも早く始めたほうが良いでしょう。また今現在、運用中の場合は、自社のメディア運用に問題点はないか改めて確認し、改善方法のひとつとして外注を検討してください。
ぜひオウンドメディア運用を成功させ、他の施策では得られないメリットを獲得しましょう。